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分配弁は、2・188図に示す如くオルダム接手によりカム軸と連結され、カム軸と同じ速度で回転している円板である。分配弁の外周部には約60度の長孔又は切込みがあり、これが分配弁本体の各シリンダヘ通ずる通気孔と合致した時パイロット空気がそのシリンダの始動弁に送られるようになっている6気筒機関の場合には、クランク角度がどの位置においてもパイロット空気孔は、いずれかのシリンダヘ通じるように造られているのでどの位置でも始動できるが5シリンダ以下の機関では、クランク位置によってはいずれのシリンダにも通じずパイロット空気孔を閉鎖してしまう箇所があり、始動時にはフライホイールをターニングして、いずれかのシリンダを、圧縮上死点過ぎ、5−10度の位置に合わせた後始動せねばならない。

 

 

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2・188図 分配弁の構造と配管

 

 

?始動弁
始動弁は各シリンダヘッド毎に設けられた始動弁穴へ始動弁アッセンブリで挿入し、上部からカバーで固定され、ガスケット及び0リングでガスシールされている。
2・189図に始動弁の断面を示す。エアータンクの主弁を開くと、空気は主管から始動弁上部室まで充満し〔操縦弁(小形では装備してないものが多い)を開くと〕分配弁を通過したパイロット空気が始動弁上部から入り、パイロット弁を弁リフトだけ押し下げるので起動弁が開弁し、空気主管の空気がシリンダへ流入しピストンを押し下げる。パイロット弁が押し下げられる時戻しバネの空間にある空気がシリンダ外に排出されるこのようにして順次着火順席に従って各シリンダのピストンが押し下げられ機関は回転して始動する。

 

 

 

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